点々

そぞろごと Reviews + Opinions

夢と冒険DNA

今新刊を購入している唯一の漫画「ワンピース」の80巻を読みました。楽しい。絵がいい。新しい画集が待ち遠しい。著者の尾田氏がインタビューで曰く、「15歳の自分が読んでおもしろいかどうかを常に確認する」そうですが、楽しむことはおろか共感さえしてしまう私の精神は15歳の少年なんだと常々思います。(夕方のEテレアニメで「100%勇気」を聴き、なんて素晴らしい歌詞なんだろうと胸をえぐられるときにも同じことを感じます。)私は適度に真面目で良い子供だったので、何かを強烈に目指すことも唯一無二の夢を意識するきっかけもなく、そこそこのつまづきや苦労はするものの全体的にはぼーっと育ってしまった気がします。だから子供を持った今になってようやく「目指すもの持とうぜ!」みたいな危機感に襲われ、本来夢や将来を意識するいわゆる中二病辺りの悩みごとに共感してしまうのかもしれない。

 

私は女ですが男兄弟の中で育ったので半分くらいのDNAは少年漫画でできています。ジャンプに始まりマガジンを通過し、お兄さん雑誌スピリッツに(兄弟が)たどり着くまで読みました。そして未だに好きな小説を挙げれば「十五少年漂流記」「宝島」「ロビンソンクルーソー」などのいわゆる冒険モノ。もちろん小さい頃はヘビーな文学少女出身の母に白い目で見られながらも、なかよしやりぼんも読みました。「ときめきトゥナイト」なぞなつかしいです。(いまだに真壁という名前にはときめきを憶えます。)しかし好きな少女漫画は「Banana Fish」「日出処の天子」「花咲ける青少年」など、やはり恋愛重視のものではなく少女の冒険心を刺激するようなものが多いです。

 

だからどうしたという記録ですが、未消化の夢や冒険の心を意識させてくれるから、こんな大人だけれどワンピースを楽しいと思えるのかもしれない。いや、私の場合はきっとそうだ。だからこそ夢に直球で無垢に向かえる時間のある本物の少年少女たちが羨ましいんだけれども。しかし壮年者であっても忘れてはならない心だと思うし、大人はなかなか恥ずかしくて口には出しにくいので、どストレートに夢や希望や目標を語ってくれる子供向けの文学や漫画にありがたく接し続けていこう、と思います。

 

 

 

ONE PIECE 80 (ジャンプコミックス)

 

BANANA FISH(1) BANANA FISH (フラワーコミックス)

 

 

日出処の天子 第1巻 完全版 (MFコミックス)

 

 

花咲ける青少年 (第1巻) (白泉社文庫)